■酷暑と隠蔽と誤審の「2025年夏の甲子園」
2025年の夏の甲子園は、開幕直後から広陵高校問題で重苦しい空気に包まれていた。
広陵高校と高野連の隠蔽体質が露呈し、爽やかさとは程遠い典型的な老朽化組織のドロドロした負のオーラ丸出しのスタートだった。
結局、広陵高校は1回戦を勝利した直後に出場辞退して、SNSを賑やかした。
大会が終わった今でも、この騒動は収まっていない。
開会式は16時スタート、第1回戦では2部制を導入し、高野連は暑さ対策をPRしたが、大会期間中の酷暑によって24名の選手が熱中症で途中交代した。
この数値は、公式発表があった選手のみの数値であって、日陰のないアルプススタンドの応援団、ブラバンの熱中症患者数は非公開なので不明だ。
今夏の酷暑下でのプレイする選手はもちろん、アルプススタンドの応援団も本当に大変だったと思う。
加えて、審判団も大変だったと思う。
大会が進むにつれ、選手のエラーも増えていったが、審判の誤審も増えた。
審判と言ってもプロ審判ではなく、ボランティアで参加してい人達だ。
もちろん、身体は鍛えているだろうけど、酷暑の日中の暑さに慣れていないアマチュア審判が、暑さで判断力が鈍るのも理解できる。
とはいえ、試合の勝負を左右する肝心な場面での誤審ほど目を覆いたくなるものはない。
▼準々決勝 岐阜商 vs 横浜の誤審連発
準々決勝「 県立岐阜商 vs 横浜」 では、二つの誤審が試合を左右した。
1.一塁審判の判定の遅れ
▸6回表の横浜の攻撃
▸1死満塁で横浜の5番打者のセカンドゴロ
▸ダブルプレー成立かに思われたが
▸審判の判定が遅れ2失点
2.ファウル判定の誤り
▸10回裏の県岐阜商業の攻撃
▸サヨナラ安打かと思われたライトへの飛球
▸白線上に落ちた打球をファウルと誤判定
▸リプレー映像では明らかなフェア
確かにこの2つ誤審は酷い内容だった。
野球素人が観ても、これは???というジャッジだった。
YouTubeで、この誤審シーンが流れると「名試合が審判に壊された」と批判が巻き起こった。
▼決勝戦 日大三 vs 沖縄尚学の疑惑判定
決勝戦でも、前代未聞の出来事が起きた。
▸7回表沖縄尚学の攻撃
▸2死一塁で8番バッターの打席
▸カウント3ボール2ストライクからの投球
▸一度はストライクと判定されたが直後に死球に覆った
正直、このシーンの判定は難しい。
野球素人には「誤審」だと判断するのは無理なレベル。
日大三高の選手たちがベンチに戻りかけたところで判定が変わり、混乱と動揺に包まれた。
日大三側が抗議して試合は一時中断される。
試合再開後に打者は出塁するが、得点にはなかった。
このシーンをNHK、新聞各社は「誤審」とは報じなかったが、SNSでは「史上最悪の審判」と非難が殺到した。
もしも甲子園球場のビデオ判定システムを利用していれば、このシーンのジャッジについて正誤を巡る騒動は起きなかったのではないか……。
▼誤審が残す深刻な影響
高校野球でプレイするすべての高校球児は「審判の判定は絶対」だと徹底的に叩き込まれる。
しかし、球児たちは自分の眼の前で、明らかな誤審を目撃し、抗議しても無駄な抵抗だという絶望を経験することがある。
「審判は絶対的な存在だから抗議してはいけない......。」
「絶対的存在の審判だって人間だから間違うことはある......。」
「高校野球はスポーツではなく教育だから誤審も我慢すべき......。」
2025年の現在も、監督による抗議は一切認められず、主将だけにしか審判に申し入れはできないというルールを遵守させられている。
審判の判定に対しては絶対服従が原則であり、監督の抗議禁止ルールは「スポーツマンシップ」に反する行為だという解釈らしいが、これも「集団責任」と同じく、軍隊教育時代の負の伝統なのだろうか?
結局のところ、どんなに明らかな誤審であったとしても、選手と監督は審判に絶対服従するしか選択肢はない。
このルールはいくらなんでも酷すぎるのでは?
「誤審も含めて高校野球の青春の一部」などと、誤魔化すのはもう終わりにして欲しい。
▼酷暑と熱中症 のべ24人が処置
大会本部の発表によれば、今大会で熱中症の疑いにより処置を受けた選手はのべ24人。
大会序盤の二部制導入によって熱中症患者は軽減したと説明はしているが、それ以外に具体的、効果的な対応はなく、お天気頼みというのが実態だ。
根本的な対策にはまだまだ程遠い。
▼このままでは死亡者が出る!?
24人が処置を受けた事実は、氷山の一角にすぎない。
熱中症は選手だけでなく、グラウンドに立つ審判やアルプススタンドで応援する生徒にもリスクが及ぶ。
このまま有効な対策を怠れば、いずれ選手・審判・応援団の中から死亡者が出る危険性も否定できない。
▸春の大会は「甲子園」
▸夏の大会は「ドーム球場」
甲子園を愛するファンとして、この春夏体制の導入を希望します。
▼設備はあるのに使わない高野連
甲子園にはすでに「ビデオ判定」設備が整っており、プロ野球では稼働している。
にもかかわらず高校野球では「ビデオ判定」「リクエスト制」の導入を拒み続けている。
「教育」「伝統」を言い訳に「誤審」を放置し続けるのは怠慢に他ならない。
でも実のところ、審判団だって本音では「ビデオ判定」「リクエスト制」の導入を希望しているのではないだろうか?
現代ははデジタル・タトゥー時代。
甲子園大会だけではなく地方大会でも「誤審」のシーンは、YouTube上で誤審した審判の死後も晒され続けることになる。
高校野球の審判は原則ボランティアだというのに、ミスした場合の一生涯続くであろうYouTubeでの制裁は不遇すぎる。
もしも自分だったら、高額ギャラだとしても絶対に引き受けないだろう......。
▼酷暑と隠蔽と誤審が示した甲子園と高野連の限界
▸広陵高校の出場辞退騒動
▸準々決勝、決勝戦での誤審
▸熱中症で処置を受けた24人の球児
▸死亡リスクすら迫る酷暑環境
今夏の大会は「酷暑と隠蔽と誤審が夏の甲子園と高野連の限界」をあらわにしたと言ってよいだろう。
選手のためにも審判のためにも、リクエスト判定の導入は即刻必要だ。
酷暑対策を本気で考えるなら、ドーム球場開催を真剣に検討すべきだろう。
「絶対服従の高校球児による感動」を自らのビジネス機会のために演出利用するNHKと朝日新聞、変化を拒む老朽化組織した高野連の怠慢はいつまで続くだろうか?
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