■CO₂悪玉説の次に来る、思考停止型エコの危うさ
「CO₂主犯人説」の洗脳は解かれつつあるが、三重県桑名では3日連続で40度超え、日々の不安感は拭えない。
そこで、今日は
『地球温暖化は、世界の終わりではありません』ビョルン・ロンボルグ著を手にした。
ボクも、そう願いたい。
本書の要点は次のとおり。
▼暑さの「過剰演出」に踊らされるな
ニュースをつければ「地球が燃えている」といった煽り文句が飛び交い、SNSでは「40度超え」はトレンドワード化。
だが、ロンボルグ氏は冷静に言う。
「地球温暖化は現実だが、破滅ではない。
GDPの2〜4%が損なわれる程度で“世界の終わり”とは言えない」
これは感情ではなく、数字に基づいた警鐘だ。
▼「あと12年で地球は終わる?」冷静なデータと合理性のすすめ
「地球温暖化が人類を滅ぼす」。
このキャッチーでセンセーショナルなフレーズは、メディアや政治家にとって実に都合がいい。
恐怖を煽れば、視聴率も票も予算も動くからだ。
だが、本当に「地球の終わり」なのか?
この問いに真っ向から立ち向かったのが、デンマークの政治学者にして統計オタク、ビョルン・ロンボルグ氏である。
TIME誌に「世界で最も影響力のある100人」に選ばれながら、環境左派からは敵視され続けている男だ。
▼エモーションvs.エビデンス
ロンボルグ氏は、元々グリーンピース寄りの立場だったというから面白い。
だが、統計学者としてデータを精査した結果「感情論だけで政策を決めるのは危険だ」と確信した。
彼の近著『地球温暖化は、世界の終わりではありません』では、次のように断言する。
「気候変動は確かに問題だ。
しかしGDPの2〜4%減少で世界の終わりというのは、ただの大げさだ」
もっともだ。
今世紀末には人類の豊かさが300〜1000%増加するとの予測がある中、その「利益の2%」が削れる話を「パニックレベル」とは呼べない。
▼グリーン・ニューディールは予算の墓場
アメリカの一部政治家が熱狂する「グリーン・ニューディール」は、毎年2.1兆ドル(約210兆円)を気候対策に突っ込むという提案だ。
ロンボルグはこれに対してこう語る。
「100年後に成果がほぼゼロなら、ただの浪費だ」
要するに「気持ちは分かるけど、割に合わない」と一蹴。
感情と道徳で予算を食いつぶすのはもうやめよう、という冷静な提言だ。
▼「炭素税を導入しろ」?それ、政治的に無理です
ロンボルグは、経済学的には炭素税の導入が理にかなっていると認めるが「現実には機能しない」と見抜いている。
なぜか?
答えは簡単。
選挙があるからだ。
炭素税が導入されそうになるたびに、黄色いベストを着た市民が街頭を埋め尽くす。
フランスを見れば分かる。
▼本当に必要なのは技術革新
温暖化対策の正解は「未来を怖がること」ではなく、「安くてクリーンな代替エネルギーを技術で開発すること」だとロンボルグは説く。
石油が登場して鯨油を淘汰したように、経済合理性がエコを救うのであって、「自己犠牲的な節電」や「建物の全改築」ではない。
▼貧困国に対するエコハラスメントをやめよ
最後にロンボルグは先進国の偽善にも一刀を投じる。
「欧米が散々化石燃料で発展しておきながら、アフリカには『石炭使うな』とは、どの口が言うのか?」
10億人がいまだに電気なしで暮らしている現実を、環境活動家たちはきれいに無視する。
▼まずは頭を冷やそう
「気候変動=世界の終わり」という物語は、人々を不安に陥れ、拙速な政策を生む。
しかし、問題を正しく定量化し、限られた資源を合理的に投資するという視点を忘れてはならない。
ビョルン・ロンボルグという冷徹なリアリストは、いま最も熱い問題に対して、最も冷静な声を上げている。
だけど、正直ボク自身は現時点ではまだ彼の言葉に確信することは出来ないので調査は続行する。
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