■「CO₂犯人説」は本当か?
池田清彦氏が語る「環境ビジネス」の虚構

今日の気温は30度。
本来なら「暑い」と感じるはずなのに、妙に涼しく感じる。

自分自身、完全にバグっています。

とはいえ、エアコンなしの部屋で日々デスクワークに励む身分としては、このくらいの気温で落ち着いてくれるのは、正直ありがたい限りです。
九龍颯大 2025.08.02
誰でも

さて、書籍から探る「温暖化の真相」シリーズ、今回は第4回。科学アカデミー界のご意見番・武田邦彦氏に続き、今回は生物学者・池田清彦氏の著書を手に取りました。

『SDGsの大嘘』池田清彦著 (宝島社新書)

その見解と要点を以下にまとめます。
▼「CO₂が温暖化の原因」という通説への異議

池田氏はまず、現在の地球温暖化論が「CO₂排出が気温上昇の原因」という前提に立っていること自体が、科学的根拠に欠けると指摘します。

実際、南極の氷床コアから得られた過去80万年分のデータでは、CO₂濃度の上昇よりも気温の上昇が数百年先行していたことが明らかになっています。

つまり、CO₂は「原因」ではなく「結果」である可能性が高いというのです。

▼温暖化の真因は「太陽活動」だった?

本書では、近年の温暖化現象を太陽活動と結びつける視点が提示されています。

たとえば17世紀後半の「小氷期」は、太陽黒点の極端な減少(マウンダー極小期)と一致しており、気候変動における太陽の影響力を裏付ける代表的事例です。

また、地球の軌道要因(歳差運動・傾きの変化)と気温変動の関係も、長期的スケールで説明可能であることが示されています。

▼CO₂は「害」ではなく「資源」

池田氏は、CO₂があたかも「公害物質」のように扱われている風潮に疑問を呈します。

光合成を行う植物にとって、CO₂は不可欠な栄養源。

産業革命以降に濃度が上昇したことで、植物の成長が促進され、地球の緑化が進行している事実が、NASAやJAXAの衛星データでも報告されています。

むしろ、一定のCO₂濃度は地球生態系の安定に寄与し、農業、食糧生産にはプラスなわけです。

▼「クリーンエネルギー」という名の幻想

SDGsが掲げる「クリーンなエネルギーをすべての人に」は、理念としては理想的です。

しかし、実態はどうか――

太陽光発電の普及のために森林が伐採され、土壌がむき出しとなり、保水力を失った山が災害リスクを高めている。

加えて、太陽光パネルの製造・廃棄には有害物質が使用され、リサイクルインフラも整っていない現状がある。

池田氏は「これは『エコ』ではなく『エゴ』だ」と強く批判しています。

▼SDGsの裏側にある「環境ビジネス」

本書が最も警鐘を鳴らすのが、SDGsや温暖化政策の背後にあるビジネス構造です。

ESG投資、カーボンクレジット、再エネ補助金といった仕組みは、一部の大企業や国際機関に利益を集中させる一方で、途上国や一般国民にはエネルギーコストや税負担という「ツケ」が回されている。

▼「誰のための持続可能性か」を問い直す

池田氏は問いかけます――

なぜSDGsは「人口抑制」という根本的かつ論理的な解決策に触れないのか?

地球上の食料・水・エネルギーは有限であり、無制限に人口が増え続ける限り「すべての人に豊かさを」という理想は空論に終わる。

持続可能性とは、本来「制限・選択・分配」の問題であり、善意のスローガンを唱えるだけでは何も解決しないと指摘しています。

▼「地球を守ろう」「CO₂を減らせば未来は明るい」

そんな言葉の裏側にある現実に、一度目を向けてみませんか?

まさに、反論しにくいスローガンや理想論が、かえって世界を悪化させる。

SDGsもCO₂削減も「善意に見せかけた装置」なのだとすれば、今こそ私たちは冷静にその「行き先」を見極める必要があります。

池田清彦氏が書籍中で引用しているヨーロッパのことわざ

「地獄への道は善意で敷き詰められている……」
(語源はたぶん、18世紀英国の文学者サミュエル・ジョンソンの書簡)

このことわざ、メチャクチャ心に刺さります。

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