■CO₂悪玉説の次に来る、思考停止型エコの危うさ

農作物や庭木のためにも、台風9号の接近による「恵みの雨」を期待していたけど、本日は昨日と一転して、猛暑の週末の模様。

「CO₂主犯人説」の洗脳は解かれつつあるが、三重県桑名では3日連続で40度超え、不安感は拭えない。
九龍颯大 2025.08.02
誰でも

そこで、今日は

『地球温暖化は、世界の終わりではありません』ビョルン・ロンボルグ著を手にした。

ボクも、そう願いたい。

本書の要点は次のとおり。

▼暑さの「過剰演出」に踊らされるな

ニュースをつければ「地球が燃えている」といった煽り文句が飛び交い、SNSでは「40度超え」はトレンドワード化。

だが、ロンボルグ氏は冷静に言う。

「地球温暖化は現実だが、破滅ではない。

GDPの2〜4%が損なわれる程度で“世界の終わり”とは言えない」

これは感情ではなく、数字に基づいた警鐘だ。

▼「あと12年で地球は終わる?」冷静なデータと合理性のすすめ

「地球温暖化が人類を滅ぼす」。

このキャッチーでセンセーショナルなフレーズは、メディアや政治家にとって実に都合がいい。

恐怖を煽れば、視聴率も票も予算も動くからだ。

だが、本当に「地球の終わり」なのか?

この問いに真っ向から立ち向かったのが、デンマークの政治学者にして統計オタク、ビョルン・ロンボルグ氏である。

TIME誌に「世界で最も影響力のある100人」に選ばれながら、環境左派からは敵視され続けている男だ。

▼エモーションvs.エビデンス

ロンボルグ氏は、元々グリーンピース寄りの立場だったというから面白い。

だが、統計学者としてデータを精査した結果「感情論だけで政策を決めるのは危険だ」と確信した。

彼の近著『地球温暖化は、世界の終わりではありません』では、次のように断言する。

「気候変動は確かに問題だ。

しかしGDPの2〜4%減少で世界の終わりというのは、ただの大げさだ」

もっともだ。

今世紀末には人類の豊かさが300〜1000%増加するとの予測がある中、その「利益の2%」が削れる話を「パニックレベル」とは呼べない。

▼グリーン・ニューディールは予算の墓場

アメリカの一部政治家が熱狂する「グリーン・ニューディール」は、毎年2.1兆ドル(約210兆円)を気候対策に突っ込むという提案だ。

ロンボルグはこれに対してこう語る。

「100年後に成果がほぼゼロなら、ただの浪費だ」

要するに「気持ちは分かるけど、割に合わない」と一蹴。

感情と道徳で予算を食いつぶすのはもうやめよう、という冷静な提言だ。

▼「炭素税を導入しろ」?それ、政治的に無理です

ロンボルグは、経済学的には炭素税の導入が理にかなっていると認めるが「現実には機能しない」と見抜いている。

なぜか?

答えは簡単。

選挙があるからだ。

炭素税が導入されそうになるたびに、黄色いベストを着た市民が街頭を埋め尽くす。

フランスを見れば分かる。

▼本当に必要なのは技術革新

温暖化対策の正解は「未来を怖がること」ではなく、「安くてクリーンな代替エネルギーを技術で開発すること」だとロンボルグは説く。

石油が登場して鯨油を淘汰したように、経済合理性がエコを救うのであって、「自己犠牲的な節電」や「建物の全改築」ではない。

▼貧困国に対するエコハラスメントをやめよ

最後にロンボルグは先進国の偽善にも一刀を投じる。

「欧米が散々化石燃料で発展しておきながら、アフリカには『石炭使うな』とは、どの口が言うのか?」

10億人がいまだに電気なしで暮らしている現実を、環境活動家たちはきれいに無視する。

▼まずは頭を冷やそう

「気候変動=世界の終わり」という物語は、人々を不安に陥れ、拙速な政策を生む。

しかし、問題を正しく定量化し、限られた資源を合理的に投資するという視点を忘れてはならない。

ビョルン・ロンボルグという“冷徹なリアリスト”は、いま最も熱い問題に対して、最も冷静な声を上げている。

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