■ご存知でしたか?日本だけが「公約達成率チェック」がない。

▼日本は政治家が好き勝手に嘘をつける国

「選挙のたびに、夢のような政策が並ぶけれど、結局なにが実現したのか?」そう思ったことはないでしょうか。
九龍颯大 2025.07.19
誰でも

当然の疑問ですが、日本にはその「答え」を出す仕組みが制度として存在していません。

過去の投稿の繰り返しになってしまいますが、今回の参議院選挙では「そもそも政策論争そのものが本質からズレている」という点は見逃せません。

参議院選挙は政権選択の場ではなく、政権の暴走を抑えるブレーキ役を誰に託すかを問う選挙です。

政党もオールドメディアも、まるで内閣を選ぶ選挙かのように「政策対決ショー」を繰り広げ、それに何の疑問も持たずに乗せられているのが、今の日本の有権者です。

これは情報操作と洗脳の成果とも言えますが、残念ながら、それを今すぐ解く手段はありません。

正しい構造も、選挙制度の意味も忘れ去られ、虚構を現実として消費する国民が多数派になっている以上、この歪んだ土俵に乗るしかないという現実を、一度は受け入れざるを得ません。

本音を言えば馬鹿馬鹿しい限りですが、現状を無視しても何も始まらないため、とりあえず、茶番だとわかったうえで話を進めていくことにします。

その虚構の中で「政策で投票しよう」と思うのであれば、海外では当たり前に機能している「公約達成率」をチェックする仕組みが必要ではないでしょうか。

▼公約達成率? そんなのチェックしてたら、日本の政治家、何人残るんですか

アメリカでは「PolitiFact」や「Trump-O-Meter」、カナダには「TrudeauMeter」、フランスには「Macronometre」などがあります。

いずれも、政治家の公約がどれだけ実行されたのかを可視化する仕組みです。

進捗状況は「実現済み」「進行中」「破棄」「未着手」などに分類され、メディアや有権者が継続的に監視しています。

ところが、日本にはそのような制度はほとんど存在していません。

数年に一度、大学やシンクタンクが限定的に分析する程度で、報道機関も選挙が終わればほとんど沈黙します。

なぜでしょうか。

理由は単純です。

達成率なんて公表してしまえば、票が減るからです。

▼達成率が低い政治家は、海外ではどうなるのか

公約達成率を軽視した政治家がどうなるか。

海外ではその結果がはっきりしています。

アメリカのトランプ政権は、「メキシコとの国境の壁」や「オバマケアの完全撤廃」など、主要な選挙公約が十分に実現されなかったことがPolitiFact等で検証されました。

その結果、2020年大統領選では再選を逃し、特に無党派層の支持を大きく失いました。

カナダのトルドー首相は、「選挙制度改革の断行」や「財政健全化」などを公約に掲げながら、任期中にいずれも実現できませんでした。

TrudeauMeterによって未達成項目が積み上がり、2021年の総選挙では議席を減らし、少数与党に転落しました。

イギリスのキャメロン首相は、EU残留を前提とした選挙公約を掲げて政権を維持しましたが、ブレグジットの国民投票で公約と真逆の結果が出た責任を問われ、辞任に追い込まれました。

いずれの事例にも共通するのは、公約と結果を数字で検証する文化と、政治的な責任が伴う構造が機能しているという点です。

▼言ったもん勝ち政治が常態化している国

日本では、政治家の発言が非常に軽く扱われています。

街頭演説や政見放送、SNS、動画などで耳触りのいい政策が並びますが、実現できなかった場合の説明責任は問われません。

達成しなくても「野党が邪魔した」「国際情勢が変わった」と言っておけば済みます。

公約は本来、有権者との契約行為のはずですが、日本では営業トークの延長のように扱われています。

選挙公報よりも、スーパーの特売チラシの方がまだ誠実、そんなレベルではないでしょうか……。

▼なぜ日本には達成率チェックが根づかないのか

理由は主に3つあると考えています。

1つ目は、有権者が政治家を「監督者」ではなく「先生」や「上役」として見てしまっていることです。

選挙で選んだあとは「お任せ」「応援」「信じる」といった依存的な態度に変わりやすく、契約者としての自覚が弱いままです。

2つ目は、政党もメディアも、公約の検証を避けていることです。

事実確認には手間がかかり、関係者との摩擦も生じやすいため、曖昧なまま放置されやすいのです。

3つ目は、有権者が「結果」よりも「雰囲気」で投票する傾向にあることです。

知名度、人柄、政党カラーなどの印象が判断基準になりやすく、公約の中身や実績への関心が薄い傾向があります。

▼日本に導入すべき仕組みとは

政治家ごとの公約履歴と実現状況を可視化する仕組みが必要です。

たとえば、

・公約一覧と達成状況を記録・公開するポータルサイト

・法案に対する議員の賛否、質問主意書、委員会発言などの記録を自動表示するツール

・各任期終了時に義務づけられた「公約レビュー報告制度」

・投票所や選挙公報に「実績付きプロフィール」を表示する運用ルールの導入

そして何より「実績を見て評価する」投票文化を根づかせることと、政治家に対する概念の転換が重要です。

政治家は「依存する人」「応援する人」「任せる人」ではなく

「公約を達成するのが政治家の業務」「有形者が依頼する外注業務」であるという視点で捉えるべきです。

▼アメリカ合衆国:PolitiFact - The Obameter / Trump-O-Meter / Biden-O-Meter

・機能:大統領ごとの選挙公約を「実行済み」「進行中」「反故」「妨害あり」などに分類し進捗を可視化

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